お風呂で
「孝ちゃん、お母さん覚えてる?」
「・・・あんまり・・・覚えてない・・・」
「やっぱり・・・オッパイ飲んでたよ」
「えぇ・・・」と照れ笑いする。
2歳と4カ月では覚えてないのも無理はない。
「お父さん、お母さんいて欲しかったなぁ・・・でもお父さん
いるからいいよ」

雄祐にはたまに聴く。
「雄祐、お母さんの夢を見る?」
「見ないよ!!」
「お父さんは?」
「たまに見るよ」
「えぇ、見るの?」

蔵馬は昨年から母親のことを口にする。
CMを見ながら「あのシチューはお母さんに作ってもらった」
雄祐に
「お母さん、無茶厳しかったし!!おれ宿題出来ないとき
泣かされたし!!」
「オレはお母さんに怒られたことがない」
「うそ・・・オレ無茶怒られたから!!」

早すぎる別れだった。6年間、私以上に強かった3兄弟。
母親からは強いメンタリティをプレゼントされた。弱音吐かない
何事も諦めないしチャレンジし、自分で決断する。

同学年の友達よりは、メンタルは強い。何時か同じ悲しみ
を経験した友人が現れた時に優しく出来ると思う。

気持ちは6年前に戻っている。あの日も小雪が舞っていた。
寒さも空気も同じ。いよいよ迎えるあの日を・・・

  


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